
今回は、「子どものケガの変化」に焦点を当てて、昔と今の違いを比較しながら、家庭でできるケガ予防策をご紹介します。
1. 子どものケガは昔とどう変わったの?
子どものケガは、昔から日常的に起こるものですが、その「種類」や「原因」は時代とともに変化しています。
日本眼科医会の調査によると、子どもの目のケガが増えていると報告されています。「10年・20年前と比べると、視力障害を伴う外傷が増加している」というデータがあり(日本眼科医会, 2023)、これはスマホやタブレットの普及による目の酷使や、昔と比べて外遊びの機会が減ったことが影響している可能性があります。
また、「子どもの事故(傷害)の実態に関する調査研究」(日本小児科学会, 2017)によると、昔と比べて「転倒や転落によるケガ」は減少傾向にあるものの、室内での事故(家具への衝突・誤飲など)は増加しているとのこと。これは、家庭内で過ごす時間が長くなり、子どもが動き回る機会が減ったことが影響していると考えられます。
2. 昔のケガ vs. 今のケガ – どこが違う?
昔(20~30年前) | 今 | |
ケガの主な場所 | 公園・外遊び中 | 家の中(リビング・キッチン) |
よくあるケガ | 転倒・骨折・擦り傷 | 家具への衝突・誤飲・熱傷 |
運動量の違い | 外遊びが多い | 室内遊びが増加 |
環境の変化 | 遊び場が広く、体を動かす機会が多い | デジタル機器の普及で、座る時間が増えた |
3. 家庭でできるケガ予防のポイント
家の中の「危険ゾーン」をチェック!
✔ 家具の角にクッションをつける → 頭をぶつけたときのダメージを減らす
✔ コードやおもちゃを床に放置しない → つまずきによる転倒を防ぐ
✔ 誤飲しそうなものは手の届かない場所へ → 口に入れてしまう危険を回避
「目のケガ」を防ぐ習慣づけを
✔ タブレット・スマホの使用時間を決める(1日1時間以内が理想)
✔ 室内でもボール遊びは柔らかいもので → 目への衝撃を防ぐ
✔ 暗い部屋での読書・画面視聴は避ける
運動不足を防いで、転倒しにくい体づくりを!
✔ 毎日外遊びの時間を確保する(公園で走る・ボール遊びなど)
✔ バランス感覚を鍛える遊びを取り入れる(ケンケンパ・一本橋歩き)
✔ 室内でも体を動かす工夫をする(トランポリン・ストレッチ)
まとめ
✔ 昔と比べて、今は「室内でのケガ」が増えている
✔ 外遊びの機会が減り、運動不足によるケガのリスクが上がっている
✔ 家庭内の環境を見直し、子どもの発達に合ったケガ予防を心がけよう!
最近の子どもたちは、昔と比べて「自由に外で遊ぶ時間」が少なくなっています。家庭内の環境を整えるだけでなく、積極的に体を動かす機会を増やすことで、ケガのリスクを減らすことができます。
「昔はもっと外で遊んでたのに、今の子どもたちは…」と思うこともあるかもしれませんが、時代に合わせたケガ予防が大切です。おうちでもできる工夫を取り入れて、元気に遊べる環境を作りましょう!
🔹 参考文献
• 日本眼科医会(2023)「子どもの目と外傷」
• 日本小児科学会(2017)「子どもの事故(傷害)の実態に関する調査研究」